にんじんの表紙
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書名の「にんじん」は野菜ではなく、赤毛の少年のあだ名——村田沙耶香が「2度目は読めなかった」と明かした、原題『Poil de Carotte』のフランス文学名作

にんじん

ジュール・ルナール

本作の主人公は、赤毛とそばかすから「にんじん」とあだ名される少年(原題:Poil de Carotte)。家族の中で疎まれながらも健気に生きる姿を子供の視点から描く、フランス文学の古典。野菜のレシピ本ではなく、家族というものの残酷さと温かさを同時に描き出す一冊。

小説家の村田沙耶香は「作家の読書道」第125回で、家族の中で少年が成長していく切ない話が身につまされると本作を紹介。「心が感じすぎてボロボロ泣いてしまって、辛くて2度目は読めなかった」というほど強い読書体験だったと振り返っている。

推薦:村田沙耶香(小説家)「作家の読書道」第125回で本人が発言

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推薦エピソード

村田沙耶香は子供時代の読書歴を語る中で、宮沢賢治や新井素子の作品と並べて本作に触れている。家族が出てくる物語の中でも、少年が理不尽な扱いを受けながら成長していく様子が「身につまされる感じ」だったといい、感情移入のあまり読み終えた後にもう一度開くことができなかったと明かしている。後に独特の家族観・人間観を作品に描くことになる村田にとって、子供の視点から家族の歪さを見つめた本作との出会いは、その後の作家人生を考える上でも示唆的な原体験だったと言えそうだ。

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