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英語訳の質に満足できず、わざわざドイツ語を学んで読み通した経済学者の「人生最高の読書体験」

失われた時を求めて 1~第一篇「スワン家のほうへI」~(光文社古典新訳文庫)

マルセル・プルースト(高遠弘美 訳)

色彩感あふれる自然描写と緻密な人物造型で20世紀最高の文学と評される大作。語り手の幼年時代の記憶を起点に、時間と記憶、社会風俗を描き出す、読み通す価値のある古典。

経済学者タイラー・コーエンはポッドキャスト「EconTalk」のインタビューで、1980年代に2年間かけてプルーストの『失われた時を求めて』をドイツ語訳で読んだと明かしている。英語の旧訳(モンクリエフ訳)の質が低かったためだと説明し、「自分にとって最高の読書体験だったかもしれない」と評している。

推薦:Tyler Cowen(ジョージ・メイソン大学教授・経済学者、米国)(ポッドキャスト「EconTalk」のインタビュー「Tyler Cowen on Reading」で本人が発言)

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推薦エピソード

タイラー・コーエンがプルーストに挑んだのは1980年代のことだった。当時主流だった英語訳(C・K・スコット・モンクリエフ訳)の質に満足できず、彼はドイツ語を学んでドイツ語訳で読むという、異例の方法を選んだという。2年という時間をかけて全巻を読み通した末、コーエンは「fantastic(素晴らしかった)。おそらく自分にとって最高の読書体験だった」と振り返っている。また本作を単なる難解な文学ではなく「偉大な“喜劇”小説であり、社会風俗の研究でもある」と評し、人間観察の鋭さを称賛している。経済学の専門家が、言語の壁を越えてまで一つの文学作品に向き合った姿勢は、プルーストという作品そのものが持つ牽引力を物語っている。

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