野火(新潮文庫)

大岡昇平

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塚本晋也監督が高校時代から20年抱き続け、自ら主演までして映画化した戦争文学

野火(新潮文庫)

大岡昇平

フィリピン戦線で結核に冒され本隊を追放された一等兵が、飢えと孤独の中で彷徨う様子を描いた戦争文学の代表作。人肉嗜食という極限の選択になぜ踏み切れなかったかを追う、戦後文学屈指の名作。

塚本晋也は高校時代に本作と出会い、「本当に戦争を体験しているような小説だった」と衝撃を受けた。大自然の美しい描写と、その中で愚かしく蠢く人間の対比が脳裏に残り続け、20年後に自ら映画化を実現させた。

推薦:塚本晋也(映画監督)映画『野火』公開時の本人インタビューで発言

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推薦の馴れ初め

塚本晋也が『野火』に出会ったのは高校時代だった。他の戦争文学とは違い、「戦争が今起こっていて、自分がその中にいるようなリアルな感じがした」ことに衝撃を受け、「心にずっと残り続けた」という。とりわけ「大自然の美しい描写と、その中で土色のドロドロとした愚かしい動きをしている人間の対比」が強く印象に残ったと語っている。その衝撃から20年後、塚本は映画化権を得るために大岡昇平の親族へ手紙を送った。実現した映画では自ら主演を務め、最小限のスタッフでフィリピンでのロケーションを敢行するなど、高校時代に抱いた一冊への思いを執念で形にした。

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